言葉については、
「日頃の言葉遣いを変えれば
運が良くもなれば悪くもなる」
という話を過去書いてきました。更に、
「言霊」についても、言葉自体に力がある。
という話を書いてきました。
そして、この本を読んでみると、
天風さんの中での言葉(言霊)というのは、
生死に関わるほど、重要な位置にあるものでした。
この本の中でも、言葉というのは、
人間の心どころか肉体にも深く関係している。
と言われてます。
私も同じ内容の話を書いたのですが、
人は言葉の使い方次第で、病気になる事もあります。
例えば、普段からネガティブな言葉、
陰口や不平不満ばかり言ってる人は、
自分の身体の免疫力がどうしても落ちてしまうので、
普段から、風邪をひきやすい体質になります。
また、日頃からどこか調子が悪い人。
にもなりやすく、更にその体の不調にも文句を言って
もっと免疫力を下げてる人も少なからずいます。
そして、いつもどこか不調で、
いつまでたってもスッキリしない人は
これが、普段の言葉遣いからきてる。
という事に気がつかない人が結構いたりします。
この様に、私の中にある「言葉」というのは
元気や病気などの肉体面に重点を置いていました。
しかし、天風さんの中では、運命や人生にまで及んでいます。
(ここの部分は興味がある方は
実際に読んでもらったほうが
理解しやすいと思います)
そして、この本の中では、
言葉が人生を左右する例え話として
戦争体験の話が出てきます。
この本の「苦境にも挫けない言葉の力」の中の話で、
戦時中、ある伝令係が
足に銃弾を受けて「痛い痛い」と言い続けたそうです。
そして病院に担ぎ込まれました。
足なので胸や腹に銃弾を受けるよりは致命傷ではありません。
そして次に、別の伝令係が
今度は、胸に銃弾を受けて病院に運ばれたそうです。
流石に天風さんは、肺を撃たれたのだから死んでるのでは?
と心配になって、二人が担ぎ込まれた病院に行ったそうです。
しかし、命を落としたのは最初の伝令係だったそうです。
天風さんは不思議に思って、看護師さんに聞いたそうです。
すると「痛い痛いと言い続けて出血多量で亡くなった」のだそうです。
(これは自分の言葉で自分を殺したと言えるかもしれませんね)
そして後から病院に送られた伝令係を見舞いに行くと、
真っ青の顔で息も絶え絶えだったそうです。
しかし声をかけると「大丈夫です」と答えたそうです。
この答えを聞いて、天風さんは助かる!と確信したそうです。
そして更に、その人は「これくらいでは死にません」と言ったそうです。
後日、その人は助かったようです。
(こう言う言葉は、その人がそう思ってないと出てきません。
そして、生死に関わるこの場面で、この言葉が言えるという事は、
自分は死なないと信じてる。もしくは助かると確信していなければ
出てこない言葉だったはずです。肝が座ってますね)
このように、戦争中は言葉の使い方次第で、
生死が決まっていた。事がわかります。
ただ今現在は、
銃で撃たれて今日にも死ぬかもしれない。
という事はありませんが、
上のように、人の生死に関わるほど力のある言葉を
私たちは普段から使っている事には変わりありません。
こう考えると、言葉の重要性について
人は真剣に考える事も必要な事じゃないかなと思いました。
著者 武田鏡村
初版 2006.3.14